2011/03/28
【不動産関連ニュース】 敷引特約(退去時敷金差し引き特約)は有効、最高裁判決
賃貸住宅を退去する際に、借主に返還される敷金から貸主が無条件に一定額を差し引くと定めた賃貸借契約の特約(敷引特約)が消費者契約法に反し無効だとし、差引かれた敷金返還を貸主側に求めた上告審の判決で、3月24日、最高裁判所第1小法廷(金築誠志裁判長)は、「特約は原則として有効」とする判断を示し、差し引かれた敷金の返還を求めた借主の上告を棄却しました。 借主は、通常の使用によって生じる修繕費は家賃に含まれており、敷金から差し引けば二重負担になる」と訴えていましたが、判決では「特約が成立している場合は、修繕費は家賃に含まれていないとみるべき」として、これを退けました。1、2審判決は借主の請求を棄却しており、敗訴が確定しました。
■判決のポイント
・賃料、敷金額、敷き引きされる額、内容が賃貸契約書に記載されており、借主は敷引特約に合意したとみなす。
・居住用建物の賃貸借契約に付された敷引特約は、建物に生ずる通常損耗等の補修費用として想定される額、賃料の額、礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照らし、敷引金の額が高額である場合は、消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであり、消費者契約法10条により無効となると考えられる。
【裁判所ウェブサイト】
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